2018年04月23日

飽きたので辞めます的な。


えーと、ボードゲームから手を引こうと思います。飽きたので。

少し人生を踏んだ人ならわかると思うのですが、会社辞めるときと同じで、人間辞めることに明確な理由がひとつあるケースは稀有で、今回も、積もり積もって辞めるという選択をした、というのが表現として正しい感じになります。
言い方を変えるなら、プラスのものと、マイナスのものを秤にかけたときに、今年に入ってからというもの圧倒的にマイナスが多く、結果モチベーションが保てなくなった、という表現が適切かなあと。つまり飽きた。

何がプラスになって、何がマイナスになるか、っていうのは人それぞれですが、僕の場合積もったマイナスは以下の通り。

・売れるものも、売り方も正解が見えてしまった
僕は売り方とか、マーケティングとか、ランキングとかが大好きで、何をどうすれば売れる、というのを試してはデータを取って次の手を……的に試行錯誤することに至上の喜びを感じるのだけど、もう概ね「こうすれば正解」みたいなのが見えてしまった。勝ち筋の見えたゲームを続けるか?という話で、勝つのが好きな人なら続けるだろうが僕は戦うのが好きで、市場に興味がなくなった。

・業界が概ね安定した
これまではかなりリスクの高い賭けに勝たなければ大きな利益を上げることは難しかったが、今となってはそこそこちゃんとやることをやってしまえば余程の愚策を打っていない限りは1タイトル50万の利益が出せるくらいには業界の規模が大きくなった。ブームも大阪まで届き、全国区で広がるのも確定、危ない橋ではなくなった。危険万歳民としては、こんなに大きな橋を渡ることにはさっぱりワクテカしない。地雷処理みたいに先頭を歩こうにも、どこにも地雷が埋まってない。

・新作の内容が2度も被ってしまった上にこっちのほうがつまらない
ホラー三部作の2タイトル目を想定していた「サカサオンナ」、昨年仮組みした段階で「マジックメイズ」、今のバージョンが「文絵のために」とダダ被り。しかもいずれのタイトルも強烈に面白く、質ではこちらが大きく劣るという困った事態に。先見の明的な意味合いでは作るものは間違っていないが、後手を踏んで質で歯がたたないのでは出す意味がないのも事実。新作を出すに出せなくなってしまった。

・今以上のゲームを開発するには知力が頭打ち
「売れるゲームを作る」のと「新しいゲームを作る」のと「緻密なゲームを作る」のは全部別で、僕はこのうち「緻密なゲームを作る」能力が大きく欠けていて、知力レベルの問題でこれは改善の余地がない。上記、マジックメイズや文絵と被ったならそれを超えるゲームを作れればいいが、基本システムが重複してしまった時点で僕の力ではどうしようもない。

・HDが吹っ飛んで、作業データが丸々駄目になった
バックアップを取ってなかったので、丸5年分くらいのデータが吹っ飛んだ。どのくらいデータが戻るかわからないが、最短でも丸二ヶ月再販等もできず、やりかけの作業も全部最初からに。復旧に20万、ゲームマーケット大阪、春のスペース代+旅費で12万オーバーとか大赤字。復旧の是非がわかるまで2ヶ月生殺しの上、イベントに出ても土下座祭り。何の拷問かという事態に。結局その後、吹き飛んだデータは全く戻らなかった。

・ギブアンドテイクどころか与えてもマイナスになることがある
基本的に、後から来る人に道を示すのを目的に色々教えたり、ノウハウ会を開いたりしていたのだけれど、これはギブはあってもテイクはない。業界全体が活気づくなら別にいいと思ってたんだけども、返ってこないどころか唾を吐きかけられることまであって、あまりのことに善意を継続する意味を見つけられなくなってしまった。業界のことを一生懸命考えてキツめのこと色々言って、「意識高い系」って後ろ指さされたのも正直かなり応えた。

・近しい人は何もしてくれない
ハコオンナのマルチメディア化にあたり、過去に世話になった人に恩返しとばかりに仕事を振ってみたけれど、半年以上待って何の結果も出してくれなかった。結局、たくさん来ていたお誘いを断るだけ断って降り出し戻ることに。古い戦友と一緒に仕事ができることを楽しみにしていたのだけれど、そういう目はなかった。

・大阪に来て流れが見えなくなった
引っ越すまではどのくらい差があるものかと思っていたけれど、いろいろな人が動き回っている東京と、その流れを受けてじわじわと成長している大阪では人の動きも考え方も全く違う。大阪で採算を取るならいいのだけれど、大阪にいて東京メインでものを売ることは、少なくとも僕の売り方では殊のほか難しく、だからといって大阪にいても通用する「後方でも売れる」新しい売り方を勉強しようとは思えなかった。

・自分で文章を書くことになった
紆余曲折あってドラマCDの台本を自分で書くことになった。シナリオ書きを引退したことで、頭の中に飼っていた人たちを苦労して全員追い出してボードゲームに特化したのに、数年前の頭に戻さなければならなくなった。無事脱稿したもののの、また頭の中の人を追い出すのには月単位で時間がかかるし、この人達が頭の中にいる以上ボードゲーム思考にもならないので、ここが転機なら物書きに戻る選択もできる状態になってしまった。そしてその後、ドラマCD企画自体が頓挫した。

……とまあ、もっとこういろいろとあったのだけれど、だいたいこんな。
「事象×距離=威力」的な意味で、眼の前で起こったこと、近い人にされたこと、というのは、とても強い力を持っていて、どれほどユーザーさんが応援してくれても、楽しく遊んでくれても、身近な人や目の前で起こったことがこれだけ残念だと到底プラスになんかなりようもなく、ここまでか、という判断をしました。新作を期待してくれていた人たち、本当に申し訳ない。

いろいろな人としていた約束を果たせないまま去ることについても、本当に申し訳ない。
僕も力が及ぶなら皆と一緒に未来を築きたかったのだけれど、あまりにマイナスが多すぎて、自分の好奇心が満たせない場所で居残るだけのプラス要素を並べることができませんでした。

というわけで、今作っているハコオンナのドラマCDを最後に、ぜんぜん違う業種……は流石に無理なので、今のスキルがある程度生かせる場所にフラフラと旅立ちます。まあ、持っているスキルが特殊ですからそんなには遠くにはいけないと思うので、半年とか、一年とかして近場で見かけたら笑ってやってください。蓄えもあるのでなんとかなるんじゃないかなあ、というくらいの、考えなしの流浪の旅です。
あ、趣味としては今後もボードゲームは遊びますので、ボドゲカフェとかで見かけたら気軽に遊んであげてくださいね。

それでは、そんな感じで。皆さん達者で。

春ゲムマは企業ブースを取ってしまったのに売るモノがハコオンナしかないので、友人のサークルさんたちのゲームを委託したり場所貸ししたりしています。エジンを謝らせたい人は顔出してください。そうでない人はそっと消えるので放っておいて頂ければ幸いです(><)。
posted by エジンガー at 23:22| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月31日

ゲムマ大阪、EJIN研究所、新作ナシです!(><)

大阪に引っ越して来てからというもの運というものにことごとく見放され、あまりに連続する不運にモチベーションも維持できず、完全敗北と相成りました。

在庫もほぼすべてのタイトル無くなってしまっていますので、販売物はハコオンナ四版の誤字脱字修正のみ行った「ハコオンナ4.1版」のみとなります。

ほんとにまあ色々あったのですが、一番痛いのがハードディスクがクラッシュしてしまったことで、次回作を予定していた「サカサオンナ」はデータ丸ごと吹き飛びました。データ復旧業者に出していますが、既に一社匙を投げられた状態ですので、もう駄目じゃないかなあ的な状態での結果待ちという、むしろ完全にゼロではないぶん救いようがない状態。そうなると全てをイチから作り直す気にもなれず、茫然自失の毎日を送っています。

というわけで、ゲムマ大阪当日はハコオンナの体験卓を立てながら細々やっています。傷心の身ですのでできればそっとしておいてあげてください(><)。

今の段階でこの状態ですから、ゲムマ春も手ぶら状態の予定です。まあ、去年、色々いいことがありすぎましたから、その反動と言うことで、しばらくは今の自分にやれることだけ地道に積んでいこうと思います。とほほ。
posted by エジンガー at 17:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月01日

サカサオンナ、形になりました。

正確には、「形が見えました」ですね。
まる二ヶ月ほど、ただひたすらに苦しみ抜いてのたうち周り、それでも諦めなかった甲斐あって、手を抜かない、エジンエンジンフルパワーのものとしてどうにか形になってくれました。まだ仮組みで、バランス調整等はかなり必要ではありますが、今の状態で遊んでもらって評価も上々、開発の峠は超えて、あとは技術も生きるし工数も見えるトコロまで無事到達した感じです。うまくいけば大阪ゲムマに間に合うかも(・∀・)。

こんな難産経験したことがない、という程苦しんで、これだけ地獄見て結果全然駄目だったらどうしようとか、諦めてもっと手癖で作るべきなんじゃないかとか不安とプレッシャーで気が狂いそうでしたが、それでも自分のやり方を信じて歯を食いしばった感じで、売れなくても自分で納得できるモノを形にできたと思うので、後悔ナシです。よかった。本当に良かった。

10年当たらず中堅サークルを超えられなかった僕が一発当てて、今の肩書は「一発屋」なわけで、この状況で、また「落ちない」ために、この位置を「維持する」ためにどうしたら良いかをずーっと考えてたんです。
一発当ててお話できたこの業界のトップの神様たちは、ほんとに素晴らしい人格者ばかりで、かつ能力的にも僕なんかが足元にも及ばないくらいの経験とスキルをお持ちの方ばかりで、どの神と話しても「マジ叶わねえ」なんですよ感想が。分かります?この絶望感。本来の僕の能力と比べたときに、彼らが10メートルのコンクリの壁隔てたくらい向こうにいる感覚。もう愕然しかない。なので、せめてこの先、コンクリの壁にピッタリ張り付いて生きるような方法を必死で模索し初めたりしたわけです。

でも、でもですよ。
その人達にたまたまとは言え一発入れたわけでえすよ、僕は(うわ何言い出すんだこいつ)。

だったらもう一発、入んねえかなー?( ゚∀゚)って思っちまって(オイまてもう黙れそれ以上言うな)。

だって、だって、すごい快感なんですよ。神様達が、僕の存在を認めてくれるって。ほんとやべえの。あのね、まじやべえの(語彙力)。
人を殴った時の手の感触って独特じゃないですか?(しらんがな)アレにほんとに近い感覚。誰かに自分の形を残した感覚、その相手が神。神様に一発入れるって、本当に、もう凄い感触なんです。回転しながら100年射精し続けるくらいの快感。マジそんな。

でも、先述の通り、僕はたまたま当てた一発屋。肌で感じる、もう存在から違う圧倒的な差。
なのにそれでももう一発入んねえかなーーーーー!?って思ってる自分に気がついたんです。
僕が神々に触れて感じたことは、凄まじい力の差と同時に、それでも「あの人達と肩を並べて業界を引っ張りたい」だったわけです。そんな光景が、脳裏に浮かんだわけです。それは、足元に張り付くのとは違うわけです。
「自分の脳裏に浮かんだものを形にするゲームデザイナー」が、自分が見た光景を否定しちゃ駄目なんですよ。
ここまできて見つけた夢を、自分で放棄することだけは許されない。足掻くことを決めました。

じゃあ何をすればいいのか。
もし、ワンチャンあるとしたら。二発目がポコンって入るとしたら、その可能性が最も高いのはどんな作品か。

一発当てた後の二作目は、売れるのは確定してるんです。「あのハコオンナの人の新作」これだけで1000個は硬い。でも、その後の評価は期待の分厳しくなるんです。その厳しい目を超えるのが「もう一発」の絶対条件。
「ハコオンナもいいけどこれも凄いね」では、期待値が高い分許されない。「ハコオンナ超えてきたね、すげえ」こそが、出すべき評価。
それを、TOPの人達より力の劣る僕が、どうやれば作れるか。そんなの全力で作ることが大前提なわけです。自分でハコオンナを超えたと思えることが大前提なわけです。
さらに、この1年で得たものをフル動員することも、勝つための必須条件です。
ハコオンナは副業でやっていたときに作ったもの。今は、ゲーム開発一本でやれる環境がある。つまり練り込む時間がある。
ハコオンナはまだ、業界も市場も半分も見えてなかった頃に作ったゲーム。今は、市場のほぼ全体が見える。
ハコオンナは、僕を知らない人が遊んで評価が出たゲーム。次のゲームは、ハコオンナを知ってる人が買うゲーム。ようは、布石がある状態。
……これら踏まえて、どんなものを作るか、作れるか、作らないといけないか。
その答えを、道半ばですが自分的に納得の行く形にできていると感じています。もしこれで「ハコオンナ超えてきたね、すげえ」という評価が出ないなら、しょうがないと思えるところまではやったと思えています。
それが嬉しい。俺超頑張った。ホント気が狂いそうなくらい頑張った。多分120%出てる。後悔とか、ない。
だからこれで行きます。

僕のクリエイターとしての全盛期は5年前くらい(裸執事の頃)。集中力、記憶力、想像力の劣化速度を考えると、まともに作り手として使い物になるのはあと2年くらい。
なので、今、後悔なくモノが作れたことに心から感謝。
あとはきっちり仕上げて、抜かりなく得意の情報戦やって結果がどうか、的な。最後まで走りきります。

死にものぐるいで戦って、生きることを実感できるって、本当に素晴らしい。
posted by エジンガー at 16:11| Comment(7) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする