2021年01月02日

実家近くで暮らすようになって

このコロナで、これまでほったらかしててもまあ問題なかった親が旅行とか行けなくなって、ご飯行ったり互いの家に行ったりするようになった。それほど話す機会もなかった親と比較的長い時間を過ごすようになって何より驚いたのが、「楽しい」「嬉しい」の基準が驚くほど低いこと。僕の感覚では少し楽しいかな、というくらいのものが、親にとってはすごく楽しい。何をしてあげても嬉しい。これが何事につけてもで、最初息子補正でバフかかってるのか、楽しいフリでもしてるのかと思ったくらい「楽しい」にズレがある。僕と親は遺伝子情報がとてもよく似ていて、楽しいと感じることも、いやだと感じることもほぼほぼ同じなので、余計にMAX値の差が顕著で。
で、なんでそうなのか考えた時に、僕の場合人生の中で作ることの楽しみを得たのも、色々見えるようになったのも30超えてからで、おそらく同じ遺伝子を持つ親も、もし何かを少しなり成せたり、何かに楽しみを見いだせていたとすればそのくらいの年齢で、その時期って……僕を生んで育ててたんだということに気が付いてしまった。
コロナがなければ親なりの楽しい老後を過ごせていたはずがこんなことになってしまい、まあコロナが過ぎ去るまで問題なく生きてまた旅行にでも行けるようになればいいんだけども、部屋でぼーっと陰鬱なテレビ見るだけの毎日ばかりが過ぎて、まかり間違ってコロナでぽっくり逝ってしまった日にゃなんか不憫すぎないか。新しいものを覚える気もほとんどないし本だって読まなくなったから僕が知っている楽しいことはほとんど伝えられないのだけれど、伝えられる範囲のそれなりに楽しいものだけでも全然楽しんでもらえるなら、この時間にできるだけ伝えて、楽しませたり喜ばせたりしてあげるべきなんじゃないかと。20年東京に行ってて何一つ親孝行もできなかった僕なので、戻って来たこのタイミングでこれなら返すものを返すべきターンなんじゃないかと思ってしまうわけですよ。
ただ、僕にとっては何もいいことはないのだな、これが。集中を遮断されるのは致命的だし(一度切れた集中を戻すのに2週間かかるのに3日おきに親が遊びに来るよ!)、コロナのリスクがあって実家に帰るべきではないという中だけれど、親にそれを説いたところで結局遊びには来てしまうし、テレビで鍋なら大丈夫と言っていたらこちらがどう訂正しても話半分にしか聞いてもらえない。僕が感染したら親もやられる状態やむなし=僕自身がリスクのある行動がとれない=気軽にテストプレイもできない。20年、タダ引きこもって集中する方法と、ひたすらテストプレイを繰り返す方法でやってきた僕にはあまりにあまりな感じで。
で、11月、12月はどうにかならないかと集中を切らさない方法や、もっと早く集中できるやり方を模索したり、親との接触を減らす方法を検討したり、色々足掻いていたのだけれど、どうにもならなかった。むしろ誕生日に電動自転車買ってあげたら弱りかけの足腰が補完されて一層遊びに来れるようになってしまって詰んだ\(^o^)/とても喜んでくれたからいいのだけれど!
とまあ、足掻くだけ足掻いて年明けて、もうこれは諦めようと。
創作活動邪魔されるのが嫌で友達すら片っ端から切ってきたこの僕(実話。なので僕創作関係ない友達いない)がまさかこんな方向転換をするというのは何よりも歯がゆいが、2か月足掻いて何の成果も出せなかった以上仕方がない。今の僕の限界値は自分の能力の限界値ではなく、親含めての値が限界だと認めよう。そしてその戦闘力だと、大阪の僻地からでもたまに一発殴って「僕はここにいるぞ!」と吠えるだけの力は残念ながら出せない。少なくともいつ開けるかわからないコロナ(下手すりゃ5年先だってよ!)が終わるまでは、テストも集中もまともにできないんだから。集中を欠いた普段の僕のIQでは、トリテやコヨーテさえも理解できないんだ。
ということで、これまでは「自分のMAX状態で作れる限界ぎりぎりのスペックの、できるだけ既存の型にはまらないもの」に挑んでいたわけだけども、そういう作り方に関しては次回作「火纏りの男」でいったん終わりにしようと思う。もう8割完成しているからね。まあ元々、そんな作り方自体が無茶で、結果心身共にボロボロにしてきたわけだから、いい潮時かもしれない。得意のマーケティングで危ない橋でもどうにか渡ってこれたけれど、それもコロナで使えなくなったし。悪い言い方をすると「当たり障りのないもの」「計算の立つもの」を作るようにしよう。それなら集中力もさほどいらないし、テストの回数だって少なくて済む。
ただそれは、インディーズでずっとやってきたこの僕の作るべきものか?と言われるとかなり微妙なんだけどもね。もしかしたらそれでもやる価値があるかもしれないのでまずはやってみようということで。やらないで価値云々を言うのは早すぎる話だしね。たぶんね。
年も超えたし鬼も笑わないだろうということで、年明け早々こういう話は嫌だけども、こうやって書いておかないとこれまでの自分にすがりついてさらに時間を無駄に費やしてしまいそうだから、現状を受け入れるために書き記す。うむ。
とにもかくにもまずは「火纏りの男」だ。このタイトルに関しては相当無茶な設計なのでまだまだ苦しむだろうけれど、超えなきゃいけない山はあと2つ(テストプレイ後の大調整とエンディングの新システム)くらいなので力技でどうにかするとして、そっから先で方向転換ってことで。嫌だよう、全力で変なもの作り続けたいよう、と泣き叫ぶ心を押し殺して頑張ろう。やれることをやる!が今年の抱負!!さあ、まずは最後の頑張りだ!!
posted by エジンガー at 01:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月15日

「マダミスを作る人に向けてのちょっとした向き不向き」

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■自己紹介
えー私、パッケージでリリースされていますマーダーミステリー「月落としの木霊」、こちらに登場しておりますボドゲ探偵、江神原業一郎と申しますー。
はじめましての方がほとんどだとは思いますが、何人かの方はもう既にお会いしたどころか、中には私を演じられた方もいらっしゃると思いますー。えー、その節は大変お世話になりましたー。はいー。
このテキスト、本来なら江神号氏が書くはずだったのですが、いまだタイトル数1本、大した活躍もしない立場でゲームマーケット大将(何その新しい呼び方)刈谷さんの直後を任される重責に耐えきれず逃げ出してしまいましたので急遽私が代役を務めさせていただきますー。

■本題
さてさて、「マーダーミステリーアドベントカレンダー」ということで、ここまで非常に頭の切れる高名な方々が様々なノウハウを話してくださっていますー。ぽっと出の私が今更何を話してもアレな感じですので、ならではの視点でお話しできること、ということでー、えー、「マダミスを作る人に向けてのちょっとした向き不向き」についてお話ししたいと思いますー。私のように少しばかり頭の残念な人限定のお話になってしまいますので、キレモノの皆さまは今日のアドベントカレンダーはお休みということで、そういう人もいるのか、くらいで見ていただければと思いますー。

■先天性、後天性の能力
えー、では何の話をするのかと言いますと、知能指数の話ですー。
人間の能力には先天性のものと後天性のものがありますー。つまりのところ人間の各能力は「鍛えてどうにかなる範囲」がモノによって大きく異なっているというわけですー。
例えば「筋力」は、ある程度のところまでは比較的誰でも鍛えられますー。ところが「瞬発力」や「動体視力」は生涯衰えることはあっても、鍛えたところで大きく成長することはほとんどありません。同じく「器用さ」なんかも、生まれ持ったものに依る部分が大きい能力です。
頭を使う能力においては各能力の「鍛えてどうにかなる範囲」の差はより顕著ですー。空間把握能力、言語能力、想像力、観察力なんかはそこそこ伸びしろもありますが、マーダーミステリーを作るにあたり最も必要とされる「知能指数」。この能力に関しましては残念ながら、幼年期を過ぎるとほぼ伸びしろがありません。

■知能指数が要求されるもの
「知能指数」が最も生かされるのは「プロセス」の構築時です。
まず動物の話をいたしましょう。猫は比較的知能指数の高い生き物です。高いところに登るのに、どの順で物を登っていけば目指すところにたどり着けるかを、4段階くらいまで考えられます。Aにたどり着くのに、高さの違う踏み台B、C、Dを順にたどっていけばいい、という判断ができる感じです。ところがネズミやフェレットなどは、2段階以上のプロセスを構築することができません。Aに行くためにBCDの踏み台があっても、順に上るということを考えられず、Aに通じていることが認識できないんです。ネズミたちは、たまたまBを登ったらCがあったので登ってみた、もう一つ登ったらDがあった、その上にAがある!やったいける!というような場当たり的な思考で動いています。
では人間はどうでしょうか。面白いもので、人間の知能指数は個体によって大きく異なっています。短絡的な思考しか持たない人もいれば、十年、一年先などの非常に遠い目標に到達する長い過程を見越して動ける人もいたりします。
あなたは、ルービックキューブは何面揃えられるでしょか。詰将棋は何手詰めまで解けますか?ボードゲームでいうなら、「宝石の煌めき」がこの「プロセス」のゲームです。このゲームが得意な人はまぁIQが高いと言えます。勝利する為には最上段のカードを獲得するためのプロセスを初手から見つけて動くことが重要になりますが、知能指数が低い人にはそれは非常に困難なことなんです。かくいう私も、最下段のカードばかり取ってしまうので、宝石の煌めき、何度やって誰とやっても一向に勝てませんー。

■知能指数が足りないと発生するケース
マーダーミステリーを作るにあたっては、この「知能指数(IQ)=プロセスを構築する能力」は必要不可欠な能力になります。
マーダーミステリーは(大抵はゲーム開始の前段階で)、多数の登場人物が、同じ時間軸の中で複雑に思惑を絡ませながら場所を移動し、各自の目撃情報がアリバイになったり、鉢合わせがトラブルを生んだりしますー。
これを成立されるためには、「どの時間に誰がどこにいて何をしている」を、すべての登場人物の分把握していなければなりません。並行して動き回る多くの登場人物を管理するためには高い知能指数が必要で、自分の能力で処理できる限界を超えた人数を処理しようとすると処理落ちし、そこに矛盾が発生します。結果起こる事例はこうです。「AさんはBさんと通路ですれ違っているはずなのにハンドアウトに記載がない」「Aさんが20:00にカギを閉めたはずのドアを通って21:00にBさんは問題なく部屋に入ってきた」……たまに散見するこれらのケースは、作者がうっかり見落としていたのではなく、その矛盾が起こっていることを能力的に把握できなかったゆえに発生しているんです。いくら読み直しても、その事象を処理するのに必要な知能指数を持っていない場合、この手の矛盾にはほとんど気が付くことができません。
えー、小説や普通の物語であれば、多少の矛盾は目をつぶることができます。ですが、マーダーミステリーにおいては時間軸の狂いや類似する論理的矛盾は致命的ですー。矛盾しないようにハンドアウトの行動を書くことができないのであれば、それはマーダーミステリーを作る適性がない、つまり、知能指数が低いならマーダーミステリーを作るべきではない、ということになります。残酷なことに知能指数は後天的にほぼ伸びない能力ですから、勉強や努力で何とかなる問題でもないのでなおさら向いていない、と言えてしまいます。

■適性と武器を把握しよう
ですから、もしマーダーミステリーを作ってみたいと思うのであれば、まず自分に「マーダーミステリーを作るのに最低限必要な知能指数が備わっているか」を調べるべきです。詰将棋やルービックキューブで、適性を見てみてください。はっきりと向き不向きがわかります。7手詰めがとけたり、ルービックキューブが全面揃えられるなら10人以上登場人物がいるような大掛かりなマダミスも(面白くなるかどうかは別問題として)作れるはずです。
もしそれらが苦手でもなおマーダーミステリーを作りたいのであれば、プレイヤー人数の少ないものを作ってください。3手詰めの詰将棋なら解ける、ルービックキューブが3面なら揃えられる、というのであれば、プレイヤー3人か4人程度までの、少人数のものならどうにか作ることができますー。それでも多少の矛盾は孕んでしまいますが、数度のテストプレイで修正可能な範囲で収まります。えー、ちょうど江神号氏がこのくらいの知能指数で、少人数ならギリギリで処理できている感じですのでー。

繰り返しになりますが、知能指数は先天性のものです。あとからどう鍛えたところで伸びるものではありません。ダチョウに空は飛べないんです。江神号氏は知能指数の相当低い人間ですが、それを認知してプレイヤー数を自分で処理可能な域まで絞り、その代わりに得意な3DCGやコンポーネントに力を入れ、少人数マダミスなりに盛り上げる施策も散々盛り込むことで、販売数的には商業タイトルとタメを張るくらいには結果を出せていますー。しかしそれは、飛ぶことが不可能だと知っているからこそ選べた道だということですー。飛べないなら、飛ぶ以外の道を選べばいいということで。はいー。

■最後に
えー、マダミスの制作は、様々な才能を生かせる非常に面白いものですー。色んなジャンル出身の色んな人が、いろんな武器を持ってこの場に集まってきていますー。ただ、タイトル数もどんどん増える玉石混淆、群雄割拠の中で、思うように形にできず失敗するケースも多く見かけるようになってきましたー。自分が他より長けている部分、マダミスに絶対に必要なもの、そして今求められているもの、それらをちゃんと把握して、自分なりのベストな形を考えられれば、失敗を極力抑え、イイものが作れるはずですー。
私ほど頭の悪い作り手もそうそういないとは思いますが、ひとつ指針になるものとして、見えにくい部分に私なりにスポットを当ててみました。誰かのお役に立てればというところですー。随分長くなりましたが、いかがでしたでしょうかー。

それでは次回作「火纏りの男」でまたお会いできればというところで。江神探偵事務所がお送りするワンタイムミステリー「月落としの木霊」から、江神原業一郎でしたー。


わかりやすさ優先で「知能指数」って言葉使ったけど本来適切じゃないよなあ……
posted by エジンガー at 13:21| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月09日

一年振り返ってみたり

さて、今年も一年、なかなかにいろいろありました。
まー、なによりもコロナなわけですが。ザーッと思い起してみましょうか。

■江神探偵事務所、頓挫
関西を代表するゲームデザイナー、北条さんの過去タイトル「北条投了殺人事件」と、宮野さんの新規タイトル「宮野華也の迷宮入り事件簿」をゲムマ大阪で並べて出して、そこから推理モノボドゲに絞って色んな作家さんと組んで動くってことで新規ブランド「江神探偵事務所」を擁立した。
僕は実は能力的にはNo.2適正で、誰かのサポートに入る時に最も力を発揮する(イベントとかだとこの立ち回りになるのでとても優秀)のだけども、とんがってる僕をちゃんと御せる人や、自分よりも能力が上の人としか組めなくて、結果いろんな人と組んではうまくいかず今日に至る。それでもやっぱり一人でやれることには(主に生産ペース的な意味で)限界があるし、自分がサブに入った時の動かせるものの大きさも知っているし、何より一人でモノを作るのはさみしいので、今度こそ、自分よりも力のある人たちと組んでやってみようと思ったんですな。
ところが仕事の詰まった宮野さんと調整がうまくいかず結局ゲムマ大阪には間に合わなくなり、「ゲムマ大阪で、大阪のクリエイターと新規ブランドを立てる」という仕掛けが成立しなくなってザ・終了。やっぱり僕は人と組むのは無理だなあと痛感して春先からしょんぼりしました。「江神探偵事務所」のアナウンスはしてしまっていたので、そのまま潰すのはしんどいし、何か打つ手を考えてー。

■マダミスを作ることにする
正月1週間ほどは谷四のギルドさんにいることが多いのだけれど、その期間に店長のありささん、オーナーの大阪さんと話したり、お客さんの遊ぶのを見たりする中で、広い会議室もあるしマダミスをもっと推していけないかなあ、という話をしてて、だったらということでマダミス一本作ることに。
とはいえ、去年の時点で「約束の場所で」をやっていた僕は、自分の知能指数がマダミスを作るのに足りていないことを把握して一度断念しているので、それでも作れるものを模索する必要があった(この辺りは次の日記でメインに書こうと思う)。あと、マダミスほとんど遊んでいない状態だったので、「一回今の段階で作れるものを作ってみよう、それで駄目なら色々勉強しよう」とめくら撃ちで一本作ることにした。マダミスなら、「江神探偵事務所」の顔も立つしね。そうだ探偵役は江神なんちゃらにしよう。
何も調べずに勉強不足の状態で作ることは、既存タイトルとカブったり一周遅れてたりする可能性もあるのだけれど、似ても似つかない要素を入れられることもあるので、時間のある時には一回調べずに作って、駄目だったら今度はがっつり調べて作って、調べずに作ったものの良かった部分だけあとで足す、が僕の中で一番いい作り方。なんだけども今回はなんか適当に作ったら結構いい感じになったので、じゃあもうこれで行くか変に個性的だし、ということで「月落としの木霊」がシナリオ1ヶ月、グラフィック2ヶ月、冊子の勉強(ボドゲばっかり作ってたので本の構成の勉強とかほとんどしてなかった)1ヶ月、丁合1ヶ月くらいで完成した。

■コロナでゲムマ大阪がなくなる
コロナさん大暴れでゲムマ大阪がなくなってしまった。次いで春も。北条投了殺人事件だけはリリースできたけど、コロナのせいで中国の工場がストップしてハコオンナ再販の目処が立たなくなる。フジ印刷がクソ仕事(去年の日記参照。度し難い)やらかしてなければ春にはリリースできたのに裏目もいいところだが、まあハコオンナ関係はトラブルがないことのほうが珍しいので仕方がなーい。
コロナの猛威でお店での売り上げが1/4に落ちる。自粛でお店にお客さん来ない中でも開けててくれることさえありがたい状態だからしょうがない。が、これでは食えない。コロナの影響は全員が受けるけど、データ厨の僕にはコロナはことさらダメージがでかかった。PCゲームから数えるともう20年を超える長い長い同人生活で、ことインディーズの市場やニーズについては誰にも引けを取らない知識と情報を持っている僕は、その積み重ねたデータで未来予想をしたり、市場の溝を見つけて食ってきた。大ヒットは狙って出せるものではないけれど、そこそこの数字はデータで出せるのだ。ところがどっこい、100年ぶりのパンデミックで市場は激変。去年までのデータは見事に役に立たなくなってしまったわけで。何を出したらいいのか全く分からなって途方に暮れたった。

■マダミス公演に勤しむ
データが使い物にならなくなったらどうするか。新しくデータを集めるしかない。というわけで、マダミス「月落としの木霊」をあちこちで公演させてもらって、各地のお店でマダミスの広がり方やコロナ禍の状況を見て回る。
僕が食っていくためには最低1000個は売らなければならず、2000個売れると生活的にはずいぶん楽になる。この数字に届くならマダミスを作り続けられるわけで、市場規模と自分の実力が把握できれば1000個売れるかどうもわかる。結果、ギリギリ1000には届くが2000には(少なくとも市場が大きく拡大しなければ)到底届かないと判明する。食うには厳しい数字だが、今ボドゲはもっと厳しい。マダミスへの継続参戦を決める。

■食えないので親の軍門に下る
コロナで先が見えない中、一番悪いパターンに入ったらどうなるかの想定をして、そこそこの確率で詰んでしまう現状を把握。長男坊なのに20年東京にいて、大阪に戻ってからも実家には戻らず、結婚もせず、勝手気ままな人生を謳歌してきたけれど、それもここまでかと観念する。会社もお店もサークルもそうだけど、経営は、完全に詰んでからでは次の動きは取れなくなってしまうので、そうなる手前で動くのが何より肝要なのだ。
というわけで、ノータッチだったばあちゃんの遺産に貯金とかローンとか給付金とかを足して、実家近くに家を買った。これで生活コストが大幅に下がるので、コロナが2年続いてもそのあとに販売数が回復するならなんとかなるんじゃないか的なところまでは計算が立つ。ただこの遺産を使うということは、以降親と親密な関係が復活してしまうことを意味する。まあ、20年分親孝行しようか。集中力を欠くことは僕にとっては致命的で、故にずっと避けてきた選択肢だが、食えないものはしょうがない。

■ハコオンナ再販
食えないからと実家に戻る舵切りをしたはずが、中国のコロナが真っ先に沈静化してハコオンナ5版がリリースできる運びになって、一転問題なく食えることに。過去の自分を超えられない現実と、完全に判断を誤った感じに呻く。こと判断ミスに関しては引っ越しで8月丸々潰したし明らかにやらかしてる感じで。とはいえまあ、一番悪いケースを見越していた中、経済も上向いてきて(3波の前)、これでしばらく生活的にはどうにかなるのは確定なので、このコロナ禍でありがたいことだと思ったりした。

■車を買い替える
生産数2000を一気に作れるようになると、自分で丁合するよりも工場で一括で出してしまった方がコスト感がよくなるのだけれど、ゲムマ大阪、春がなくなったのとセースルが落ちたことで2000を作れる力がなくなったので、丁合を自分で行い、東京への納品も自分で行く体制が最適解になった。僕は下道が好きで高速が苦手(眠い)なもので、東京までも下道で行って途中キャンプを挟むのだが、月落としの木霊はこれまでのカードゲームに比べ箱が大きくて、車にキャンプ道具と納品物を両方積むことが困難になった。あと、コロナで旅行に行けなくなった親と遠出するのに、愛車R2の後部座席はちょっとしんどい。買い替えを検討する中、積み込み量、後部座席の乗り心地+変な車、という条件を満たす「NBOXスラッシュ」が変すぎて売れなくて生産終了に。変なメカって、市場にある時は売れないのになくなるとみんな急に欲しがるのでどんどん中古市場からもなくなる(プラモとかといっしょだね!)。そんな中手ごろな中古車を発見したので、月落としの売り上げをぶっこんで慌てて手に入れた。

■11月は大不調
月落としの木霊のシナリオとシステムは1ヶ月強で完成したので、同じくらいの期間で次回作を、と10月頭くらいから次に着手。僕はいろいろな諸条件を並べて、それらを満たすものが頭の中に浮き上がってくるのを待つのだけれど、10月の段階で上がってきていたのは鳥人間コンテストが舞台の「水面のイカロス」とラーメン大食い対決の殺人「火纏りの男」の2案。うち後者はプロットがテンポよく組みあがったのでそのテンポを維持して一気に仕上げてしまおうと作り始める。10月末の段階でちょっと遅れて7割が完成。ところが11月頭に旅行の予定を入れてしまっていた。これが致命打。僕は知能指数が低く、複雑なゲームを作る適性がない。マダミスを一度断念したのもこれが理由。だけども、2週間ほど時間をかけて頭の中を特化させることで、一時的に知能指数をほんの少しだけ上げることができる。本気の本気の時にしかやらないのだけど、マダミスに若い子や才覚のある人たちがいっぱいいるのを見た僕は自分の精一杯で勝負したくて、「火纏りの男」をMAXの状態の僕でギリギリどうにかなる複雑な構造に設計してしまったのだ。これが長野への下道ロングドライブと温泉で完全にリセットされてしまった。そうなるのはわかってたんでどうにかこの予定までに終わらせたかったんだけど無理で。戻って2週間でまた頭を研ぎ直して……そしたら今度はGOTOトラベルを使いたくて京都へのツアーに申し込んだ両親が喧嘩して、父親の代わりに僕が行くことに。長野から戻って2週間かかってようやくリスタートしたところなんだよ、旅は駄目だね、と話した直後にお前……とか思いながら。まあ、作家とか理解できない人だから仕方がない。親元に帰るのを選んだのは自分だしね。というわけで、またリセット。2回のリセットで一ヶ月が吹き飛んでしまったりした。ぐぬう。

■というわけで12月
ガチでゲーム作ってる期間以外は「頭の悪い愉快で楽しいエジン君」なわけで、僕もその状態で許されるならそれがいい。楽しくみんなと遊んでたい。でも今どんどん新しい風が吹いてて腕利きが跳梁跋扈しているマダミス戦国時代。フルでやり合える相手がいっぱいいる中、全力で戦わないのなら何のためにこれまで積んできたよ、って話なので、邪魔が入らない限り精一杯で向き合いたいんよね。あらん限りの力で挑んで、それでもあいつらにかなわなかった、と言いたいんです。なのでまあもうちょっと引きこもって、年内には仕上げて年明けからはグラフィック作りながらテストプレイして回れるように頑張ります。僕は戦うのが大好きなのだ。
まー、今年はいろいろ判断がつかず悪手ばかり打ったし、来年もどうなるかさっぱりわからないコロナ禍ですが、みんな大変な中にしては僕は恵まれてる方だと思うので、まずは自分のやれることをやれる限り頑張っていきます。来年はどうにかそれなりの結果を出して、周りを助けられるところまで持ち直したいなあというところで。
さて、まずは残すところの後一ヶ月。頑張りましょうそうしましょう。この状況下、頑張れるだけでも幸せなことで。
posted by エジンガー at 12:02| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする