2017年11月01日

サカサオンナ、形になりました。

正確には、「形が見えました」ですね。
まる二ヶ月ほど、ただひたすらに苦しみ抜いてのたうち周り、それでも諦めなかった甲斐あって、手を抜かない、エジンエンジンフルパワーのものとしてどうにか形になってくれました。まだ仮組みで、バランス調整等はかなり必要ではありますが、今の状態で遊んでもらって評価も上々、開発の峠は超えて、あとは技術も生きるし工数も見えるトコロまで無事到達した感じです。うまくいけば大阪ゲムマに間に合うかも(・∀・)。

こんな難産経験したことがない、という程苦しんで、これだけ地獄見て結果全然駄目だったらどうしようとか、諦めてもっと手癖で作るべきなんじゃないかとか不安とプレッシャーで気が狂いそうでしたが、それでも自分のやり方を信じて歯を食いしばった感じで、売れなくても自分で納得できるモノを形にできたと思うので、後悔ナシです。よかった。本当に良かった。

10年当たらず中堅サークルを超えられなかった僕が一発当てて、今の肩書は「一発屋」なわけで、この状況で、また「落ちない」ために、この位置を「維持する」ためにどうしたら良いかをずーっと考えてたんです。
一発当ててお話できたこの業界のトップの神様たちは、ほんとに素晴らしい人格者ばかりで、かつ能力的にも僕なんかが足元にも及ばないくらいの経験とスキルをお持ちの方ばかりで、どの神と話しても「マジ叶わねえ」なんですよ感想が。分かります?この絶望感。本来の僕の能力と比べたときに、彼らが10メートルのコンクリの壁隔てたくらい向こうにいる感覚。もう愕然しかない。なので、せめてこの先、コンクリの壁にピッタリ張り付いて生きるような方法を必死で模索し初めたりしたわけです。

でも、でもですよ。
その人達にたまたまとは言え一発入れたわけでえすよ、僕は(うわ何言い出すんだこいつ)。

だったらもう一発、入んねえかなー?( ゚∀゚)って思っちまって(オイまてもう黙れそれ以上言うな)。

だって、だって、すごい快感なんですよ。神様達が、僕の存在を認めてくれるって。ほんとやべえの。あのね、まじやべえの(語彙力)。
人を殴った時の手の感触って独特じゃないですか?(しらんがな)アレにほんとに近い感覚。誰かに自分の形を残した感覚、その相手が神。神様に一発入れるって、本当に、もう凄い感触なんです。回転しながら100年射精し続けるくらいの快感。マジそんな。

でも、先述の通り、僕はたまたま当てた一発屋。肌で感じる、もう存在から違う圧倒的な差。
なのにそれでももう一発入んねえかなーーーーー!?って思ってる自分に気がついたんです。
僕が神々に触れて感じたことは、凄まじい力の差と同時に、それでも「あの人達と肩を並べて業界を引っ張りたい」だったわけです。そんな光景が、脳裏に浮かんだわけです。それは、足元に張り付くのとは違うわけです。
「自分の脳裏に浮かんだものを形にするゲームデザイナー」が、自分が見た光景を否定しちゃ駄目なんですよ。
ここまできて見つけた夢を、自分で放棄することだけは許されない。足掻くことを決めました。

じゃあ何をすればいいのか。
もし、ワンチャンあるとしたら。二発目がポコンって入るとしたら、その可能性が最も高いのはどんな作品か。

一発当てた後の二作目は、売れるのは確定してるんです。「あのハコオンナの人の新作」これだけで1000個は硬い。でも、その後の評価は期待の分厳しくなるんです。その厳しい目を超えるのが「もう一発」の絶対条件。
「ハコオンナもいいけどこれも凄いね」では、期待値が高い分許されない。「ハコオンナ超えてきたね、すげえ」こそが、出すべき評価。
それを、TOPの人達より力の劣る僕が、どうやれば作れるか。そんなの全力で作ることが大前提なわけです。自分でハコオンナを超えたと思えることが大前提なわけです。
さらに、この1年で得たものをフル動員することも、勝つための必須条件です。
ハコオンナは副業でやっていたときに作ったもの。今は、ゲーム開発一本でやれる環境がある。つまり練り込む時間がある。
ハコオンナはまだ、業界も市場も半分も見えてなかった頃に作ったゲーム。今は、市場のほぼ全体が見える。
ハコオンナは、僕を知らない人が遊んで評価が出たゲーム。次のゲームは、ハコオンナを知ってる人が買うゲーム。ようは、布石がある状態。
……これら踏まえて、どんなものを作るか、作れるか、作らないといけないか。
その答えを、道半ばですが自分的に納得の行く形にできていると感じています。もしこれで「ハコオンナ超えてきたね、すげえ」という評価が出ないなら、しょうがないと思えるところまではやったと思えています。
それが嬉しい。俺超頑張った。ホント気が狂いそうなくらい頑張った。多分120%出てる。後悔とか、ない。
だからこれで行きます。

僕のクリエイターとしての全盛期は5年前くらい(裸執事の頃)。集中力、記憶力、想像力の劣化速度を考えると、まともに作り手として使い物になるのはあと2年くらい。
なので、今、後悔なくモノが作れたことに心から感謝。
あとはきっちり仕上げて、抜かりなく得意の情報戦やって結果がどうか、的な。最後まで走りきります。

死にものぐるいで戦って、生きることを実感できるって、本当に素晴らしい。
posted by エジンガー at 16:11| Comment(7) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
期待していまっせ。関西にお越しの際はお声掛けください。v
Posted by ハナー at 2017年11月01日 18:59
ボードゲームに興味を持ったきっかけがハコオンナでした。沖縄では中々手に入りませんでしたが、今度ようやく手に入りそうです。
こんなに面白い作品を楽しませて頂いてありがとうございます。
次も応援しています。がんばってください!
Posted by きょう at 2017年11月08日 16:53
>きょうさん
沖縄ぁー!あざすーーー!がんばりますよ力の限りーーー!!
もし道半ばで力尽きたら指差してせせら笑ってやって下さいーーー!!ww
Posted by エジンガー at 2017年11月09日 13:04
>ハナー氏
5月には戻りますので、また将棋指しましょう(^^)。
Posted by エジンガー at 2017年11月09日 13:04
一発入れるとしたら二番煎じのホラー系ではなく
モノポリーや街コロやナショナルエコノミーなどのマネーゲーム系だと思います
Posted by at 2017年11月13日 17:35
あ、それは無理っすw。
少し作ってみれば分かることなんですが、
あのへんは知力が高い人が作るゲームなので。
作り手によって向き不向きがあるんですよ。
Posted by エジンガー at 2017年11月14日 13:42
そうだったんですね
軽率な発言すみません
Posted by at 2017年11月21日 09:00
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